「愛人」とは愛する人・配偶者なのに「不倫」に変わった理由とは!?

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「愛人」という言葉が悪い意味に変わった理由

「恋人」・・・それは、彼氏・彼女のことを表し

「愛人」・・・それは、愛する人・配偶者を表す

いいイメージのはずの「愛人」は、

日本では「浮気相手」「不倫相手」と、悪いイメージとして使われています。

1955年、広辞苑の初版が出た時、「愛人」は人を愛すること・恋人・・・

そう書かれていました。

では、なぜそんな意味から、悪い意味にすり変わってしまったのか!?

超有名作家の一文

愛人という意味が、悪いイメージに変わったのは超有名作家の一文が原因でした。

それは・・・

太宰 治(ダザイ オサム)です。

代表作:「人間失格」・「走れメロス」などを執筆した昭和を代表する作家です。

1947年に出版された「斜陽」(しゃよう)

当時、太宰治は38歳で、妻がいながら不倫をしていた太宰治本人がモデルとなった作品と言われています。

貴族階級の出であるかず子が、既婚の小説家である上原との不倫関係を描く小説である。

【不倫で悩むかず子が上原に宛てた手紙の一文】

「私はおメカケ この言葉

言いたくなくて たまらないないのですけど

でも愛人と言ってみたところで

俗にいえば

おメカケに違いないのですから。」

おメカケ=正妻ではない妻=不倫相手

おメカケという悪いイメージは、「不倫相手」=「愛人」

この一文が「愛人」というイメージを真逆にしたのです。

昭和の文豪たちが「愛人」を使うようになる

この小説から、他の文豪たちも

「愛人」=「不倫相手」というように好んで言葉を使うようになったのです。

松本 清張「絢燗たる流離」では・・・

「三十を三つぐらいは

越しているが 彼女は 実は

大阪の骨董商の愛人だった」

金田一耕助シリーズで有名な、横溝 正史「悪魔の寵児」では・・・

「種子はむろん

風間欣吾の愛人たちを

憎んでいました」

と、昭和の文豪たちが使うようになったのです。

新聞も歌も映画も「愛人」を

1970年には、新聞記者たちが見出しで使うようになりました。

「また愛人に・・・」

「愛人と組んで・・・」

「夫の愛人・・・」

などの見出しが使われるようになりました。

1980年代、テレサ・テンの「愛人」

(歌詞の一文抜粋)

「あなたが好きだから

それでいいのよ

たとえ一緒に街を 歩けなくても

この部屋にいつも 帰ってくれたら

わたしは待つ身の 女でいいの」

この歌は1985年に日本有線大賞を獲得するほどの大ヒットを記録しました。

気になってしまった方は、YouTubeで聞いてみてください・・・。

1990年代、「愛人/ラマン」が大ヒット

フランス・イギリス合作の恋愛映画です。

このように、「愛人」という意味が、完全に逆転していったのです。

まとめ

この背景から、広辞苑は変化しました。

1955年、初版、広辞苑 ⇒「愛人」:人を愛すること・恋人・・・

そして

1991年・第4版、広辞苑 ⇒「愛人」:人を愛すること・恋人・・・

「また、情婦・情夫」

と、追加されたのです。

ほんの小説の一文が、こんなにも世の中に影響を与えるとは・・・

その意味よりも、その小説家の偉大さを感じてしまいます・・・。

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