日常生活で失われる水分量と正しい水の摂り方
今年の梅雨は長く、ムシッと暑苦しい日々が続いていますが、夏本番はこれからです。
現在、熱中症で病院に運ばれている患者数は1週間で1,000人を超える数です。
日々、コロナのニュースが多い現状ですが、油断できない熱中症・・・
たくさんの水を飲んでいても、飲み方が間違っていると、意味の無い結果になってしまうかもしれません。
今回は正しい水の飲み方と、食事から摂れる水分についてご紹介します。
身体の水分量
そもそも人間の体は、多くが水分で出来ています。
人間の水分量(男女別)
●男性…約60%
●女性…約55%
60㎏の男性で例えると36L分が体内の水分となります。
では、身体から水分が減少すると、どのような症状が起きるのか?
水分減少率
●2%…喉の渇き
●4%…疲労困憊・体温上昇
●8~10%…意識障害・痙攣
●20%以上…無尿・死亡
身体の中に50%以上もの水分があるにも関わらず、たったの2%~4%で症状が出てきてしまうほど、人間の体には水分が欠かせない物なのです。
1日に失われる身体の水分量
人間は日常生活の中で意外と多くの水分を消費しています。
快適な空間で、何も飲まず2時間ほど本を読んでいたとしても、約50gの体重が減少するほど体内から水分が出ています。
これを「不感蒸泄(ふかんじょうせつ)」と言います。
水分を摂れるのは口からだけですが、失われるのは体のあらゆる場所からなのです。
人間は1日に2Lの水を飲んだ方がいいとされています。
1日に失われる水分量(あまり汗をかかない環境)
●皮膚…0.7L
●呼吸…0.2L
●汗……0.1L
●尿や便…1.5L
合計…2.5Lです。
これだけの水分が体内から排出されているので、1日最低でも2Lの水分が必要になってくるのです。
もちろん、汗をかくような仕事だった場合はそれ以上の水分量が必要になります。
そして、最も気を付けなければいけないのが、お酒です。
お酒には強い利尿作用があり、お酒を飲んだらトイレが近くなる人は多いのではないでしょうか?
お酒を1L飲んだとしたら、失われる水分量はそれよりも多く約1.1Lが失われます。
飲んだら、飲んだ以上の水分補給が必要になってくるので、普段からお酒を飲んでいる人は要注意です。
正しい水の摂り方
正しい水の摂り方とは、もちろん飲むことも大事ですが、食事から摂ることも大切です。
まず、水は常温が身体に一番いい効果をもたらします。
汗をかいたときや疲れた時にキンキンに冷えた水を飲むと最高の気持ちになれますが、一気に飲むことで逆に尿が増えてしまい、身体の水分量が減少してしまいます。
身体は敏感で、水分が多く入ってくると身体が水に満たされた状態となり、抗利尿ホルモンがコントロールし、水分を減少しようと働きかけてしまうのです。
常温の水を定期的に飲むことで、ゆっくりと身体の中で吸収します。
特に、朝の起床時などは細胞の動きが鈍っているので、細胞の働きを活発にしてくれる効果があります。
しかし、冷たい水は熱中症対策としては効果的で、体温を下げてくれる効果があります。
胃腸への負担が大きい為、飲みすぎには注意しましょう。
そして、寝る前には白湯がおススメです。
白湯を寝る前に200㎖を目安に飲むと、リラックス効果があり、ゆっくり寝ることが出来ます。
水分は、水を飲むことだけではなく、食事からもたくさん摂ることが出来ます。
どのような食べ物にも水分は含まれていて、3食キッチリ食べることで、身体の中に水分を摂り入れることが出来ます。
ダイエットなどで、1食抜かしたり、朝は食べないと決めている場合は、食事から十分な水分を摂ることが出来ない為、出来るだけ食べることが、熱中症対策になります。
夏の水分補給にピッタリの食材
夏の水分補給に最適な食材は「スイカ」です。
スイカにはブドウ糖・果糖が含まれているので、実は水を飲むよりも身体が潤いやすい食材なんです。
スイカの水分量は86.9%と、野菜・果物の中でトップクラスの水分量です。
スイカには「リコピン」が多く含まれていて、優れた抗酸化作用によって老化や動脈硬化などを予防する効果が期待できます。
リコピンと言えば、トマトを思い浮かべる人は多いかと思います。
リコピン保有量
・トマト100gあたり…3.03㎎
・スイカ100gあたり…4.81㎎
スイカのリコピン保有量はトマトの1.4倍となるのです。
さらにスイカには「シトルリン」という成分が入っているため、活性酸素を素早く除去する働きがある為、リコピンとシトルリンでダブルの抗酸化作用が期待できるのです。
ただし、糖分も多い為、1日のスイカ摂取量は1/4程度がおススメです。
まとめ
水にも色々な摂り方があり、ただ2L飲めばいいものではないんですね・・・。
コーヒーやお茶にも利尿作用が含まれているので、その分は除外して水や食事から水分を十分に摂取していきましょう。
夏本番はこれからです。
コロナだけではなく、熱中症にも気を付けてお過ごしください。